アメリカを中心に、大麻合法化が進む中、大麻について様々な科学的議論がされています。
日本はなぜそれに参加しようとしないのか?環境整備を整えるという話にならないのか不思議ですよね。現在、主要先進8カ国(G8)のなかでは、日本だけが大麻の医療使用を禁止している状況。今後規制緩和はあるのでしょうか。
今回は、厚生労働省・麻薬規制・大麻担当の方にお話を伺いました。
CBDの規制についても、詳しく聞いてみましたよ。
アメリカの大麻に対する規制見直し
2017年2月、DEA(アメリカ麻薬取締局)は、大麻で「大麻精神病」「覚醒剤などにすすむ」「肺がんになる」「知的レベルが低下する」などは事実無根であったと認め、報告書から削除しました。
さらに、4月には報告書全体をネットから削除したのです。
2016年にも、サンフランシスコの地方検事局は、1975年まで遡ってマリファナに関する犯罪歴を抹消する方針を明らかにしています。
George Gascón地方検事は、
「連邦レベルではドラッグ政策が後退しています。サンフランシスコは率先して、この国が失敗した麻薬戦争が国民に、とくに有色人種の人たちに与えてしまった損害を修復します」と発表。
要するに、偏見による逮捕が多かったということを認めたという背景があります。
日本の大麻規制
厚労省と麻薬覚せい剤乱用防止センターの有害性の根拠のほとんどは、アメリカのDEAの情報をそのまま使ったものだと思われるのですが、アメリカではそれが削除されてしまっている状態。
当初アメリカの真似をして大麻を規制した日本。そのアメリカではとっくに人体に影響が無い、タバコやアルコールよりも依存性が低いという研究結果が発表されていて、犯罪履歴まで抹消されていますよ?
ならば、今回も真似をして、面倒臭がらずに研究し、環境整備を整えることを視野に入れても良いのでは無いでしょうか?
海外(G8)では大麻による幻覚が問題視されることはほとんどありませんし、「幻覚作用」という記述に関して言えば、カフェイン程度のもの。現に国立精神神経センターでは大麻が原因で治療を受けにくる患者は年間1人いるかどうかだと述べています。
厚生労働省の回答
ホームページを見てみると『WHOは、大麻の医療用途の可能性については、科学的な根拠に基づいた報告を行っていません。』と書いてありますが、これは一体いつの情報なのでしょうか。
WHOが今年の6月に「大麻は安全な薬物」と宣言したことに関して、この記述が変わるなど、今後対応する予定は無いのか確認してみました。
Q:ネット上で大麻はタバコやアルコールよりも無害とされていますが、それに対してはどのようにお考えですか?
A:WHOでは、11月に大麻の安全性について再検討する予定です。
その結果と今後の研究結果次第で、医療使用に関しては検討を進めていきます。
ただし、ネット上に書かれている大麻は体に害が無いというのは、嗜好品として大麻を吸いたい人たちが書いているだけのことで、大麻は体に良いものではありません。
日本でも大阪大学で研究が進められており、『THCがシナプスをカットする』という結果が出ているので近々発表される予定です。
Q:では、嗜好品として規制を緩和する予定は無いのですか?
A:アメリカやカナダと日本では、薬物使用背景が全く違います。
大麻使用者に関していうと、日本人は人口の1.4%なのに対し、アメリカは44.3%、カナダはそれ以上なので、デモや反対運動も数多く起きているのです。その中で見直さざるおえなくなった状況ですね。
また、合法化した時の経済効果も日本とは比べものにならないというのも理由ですかね。
今後、研究結果が増えるにつれて医療用に用いる可能性はありえますが、乾燥大麻は(笑)乱用の恐れも含め研究が必要です。
はっきり、意見が聞けました。要するに『税収』なのです。タバコもアルコールも需要があるから供給されるわけで、税収が見込めないのに面倒な見直しは行わない、労力を使いたく無いということ。確かに反対運動が少なければ、特に社会問題にもなりませんし取り上げなくても良いわけです。
だから、WHOからも多数の研究結果が発表されているにも関わらず、ホームページの記述が昔ままになっているのですね。研究が必要と言いながら、たいして研究していないのではないかと疑ってしまいます。
CBDの規制について
Q:大麻由来の成分として、CBDの取り締まりや対応はどのようにされていますか?
A:大麻取締法で決められている通り、『成熟した茎と種子』は規制されないので、その部位からのみ抽出しているCBD成分であれば法規制はされません。ただし、大麻樹脂は規制対象です。
Q:THC成分が混入していないという確認方法は?
A:輸入時に提出してもらう、原料と製造工程の写真、成分分析表で判断するしかありません。その後立ち入り検査を随時行っていくことは無理なので、最初だけです。
Q:その提出した書類が通れば、厚生労働省から許可を得ているということになるのですね?
A:まだCBDについては、大麻取締法で規制されていない部位を使っているから規制されないというだけで、認定書や認可を出すこともしておりません。
Q:販売者が、確認書類が通ったことをホームページに書くこともダメなのですか?
A:認可を出すという形はとってませんので・・・。
WHOが今年の6月に「純粋(PURE)なCBDは人体に影響が無い」と発表していますので、医療用に有効であれば考えていかないといけないのですが・・・。どこまでがPURECBDにあたるのか不確実な状況でして。
Q:難治性てんかん用の治療薬がアメリカで発売されることをWHOが承認したのですが、それは医療用に有効という判断ではないのですか?
A:そうですね、日本でもどこかでなんらかの形で研究は進められていると思いますので。
どこでどういった形で研究されているのでしょう。とってもアバウトなご回答をいただきましたよ。これ以上言及するのがかわいそうになりました。
この方はただ担当なだけで、日本の研究や規制を判断する当局の対応が追いついていないだけなのですから。
6月にPURECBDは人体に影響が無いと発表されてから、半年が経とうとしているのに、『どこでどんな研究がされているか不明』なのです。
要は、もっと問題視する声が出て、治療薬として使いたいという患者さんが運動を起こしたりすれば、研究も進められて、政府も検討し始めるということになるでしょう。
今年の11月1日には、「香港大麻投資家シンポジウム」が行われました。
大麻が違法な香港に200人余りが集まり、大麻を巡る誤った認識や大麻関連の投資機会などが議題として取り上げられているという動き。
ここ1年間で、大麻関連株のリターンは73%もプラスになり、ビットコインや金、主要な株価指数よりも好調です。
カリフォルニア州のクシュコ・ホールディングス、ジム・マコーミック最高執行責任者は「米国で合法化が受け入れられつつあるのを人々が目にしている今、同じトレンドがアジアで起こる可能性は非常に高い」と指摘。「遅かれ早かれそうなるだろう」と述べているようです。
日本で研究が追いつかなくても、海外の対応や意見を参考に、対応を強いられる日は近いのでは無いでしょうか。
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