CBDの買い付けのためにと、ロサンゼルスへ行った時にそこであまりにも容易に手に入る医療大麻の現状を目にしました。
そこで今回は、医療大麻が合法化されている国のディスペンサリーについてご紹介したいと思います。
ディスペンサリーとは
医療大麻を購入することができるショップのこと。
成人であれば、誰でも医師から書いてもらった診断書を持っていき、最寄りのディスペンサリーで医療大麻を購入することができるのです。
必要なのは、身分証明書(パスポートなど)と滞在先の住所(ホテルでも可)くらい。
ただし、この診断書の発行の際に他国から来た人は、高額を請求される場合があります。特に日本人など近隣諸国ではない旅行者のような雰囲気で行くと、理由もなく破格を言われることがあるので要注意。
コロラドのように嗜好用大麻が合法ならば、この作業はもちろん不要ですが、医療大麻の販売しか許可されていない国が現状ほとんどとなっているため、その場合はメディカルカードがないと売ってもらえません。
それさえクリアすれば、21歳以上であることが条件でどの国の人でも立ち入ることが可能です。
医療大麻は「ドラッグ」といわない
医療大麻はあくまでも治療目的という大前提があるため、お客さんたちは皆、「頭痛に効果がある種類はどれ?」とか「よく眠れるのがいい」などと伝えて選んでいきます。
間違っても「どれがハイになる?」とか「一番くるやつちょうだい」とは言いません。
さらに店員さんたちは、知識がとても豊富。
細かい効果や効き目の継続時間、摂取方法や使用量の注意など事細かに教えてくれるその様は、まるで薬剤師です。
大麻といっても、種類もインディカやサティバがあり、それぞれをさらに交配することによって品種改良がされるため、本当にたくさんの種類が並んでいます。その乾燥大麻の種類の多さには驚かされます。
また、コンセントレート(濃縮物)の形状もさまざま。各店舗4種類以上は揃えて売っています。オイル、べっこう飴のように固まったもの、ネバネバしているものなど、見たことの無いような形をしているものも並んでいますし、もちろんCBDも扱っています。
クッキーやキャンディー、ブラウニー、グミもほとんどの店が扱っており、パッケージもとても可愛いのです。
その店ごとにロゴの入った、キャップやTシャツ、ペンなどのグッズ類も豊富です。
この店内を1度目にしたことがある人は、その概念から『ドラッグ』という認識が書き換えられることは確実と言えるでしょう。
いろんなディスペンサリー
私が最初に訪れたのは、メディカルカードがもらえる施設の下でディスペンサリーの案内をしているお姉さんに言われるがまま、ついていったマンションの一室のようなところでしたが、ほとんどの販売所には、きちんとセキュリティーが立っていて、身分証の提示を求められる場所がほとんどです。
中には椅子が並んでおり、受付を済ませた後、自分の名前が呼ばれるのを待てるようになっています。
ハリウッドのレトロなデザインのこんなお店も。
高級感あふれる店内で、椅子に座ってリラックスし、大麻のカタログとは思えないようなスタイリッシュなメニューを見ていきます。店員さんはどこの店もとても丁寧に接してくれます。
Level Up
一見、眼鏡屋さんのように見えますが、こちらも『Level Up』というディスペンサリー。
洗練された内装はハイロードスタジオによる設計。フロントデスクはスパのような雰囲気になっており、まるで宝石店のようなディスプレイです。
Ajoya
お店の未来的なカウンターは、まるでアップルショップのよう。
上部にはきれいな照明が並んでおり、ガラスケースの中に商品が展示されています。画面には商品の説明や種類が随時表示さるようにもなっているので、見ているだけで勉強になりますね。
壁に設置されている丁寧に整理された棚や引き出しから、店員さんが商品を渡してくれます。
こういった整った設備のディスペンサリーもあれば、薬局のような場所も多く存在します。
お店をブランド化し一攫千金を狙う企業と、薬局だった場所や雑貨屋が店構えはそのままで、多少儲けを増やしたいという意図から大麻を扱うようになった、という思惑の違いかと思います。
大麻による売り上げと税収
最初に大麻が合法化された2014年の売り上げは6億9920万ドル、2015年は9億9620万ドル、そして2016年は13億1315万ドル、と順調に増え続けています。
医療用は毎年4億ドル程度で変化が見られないそうですが、嗜好用が年々増加したということでこのような結果になっているのだとか。
コロラド州では、現在レクリエーション用大麻に15%の課税を行なっています。
大麻合法化のメリットは、違法の場合は州に入らない税金が入ること、合法とすることで大麻取り締まりの司法費用がかからないこと。
実際まだ大麻が非合法の州でも、大麻所持はせいぜい罰金刑のみ、というところが多いのです。
大麻取り調べのために警察を動員、裁判費、拘置費などを費やすよりも、罰金を簡易化する方向に進んでいるのが現状。
そもそも医療用として合法化している州は全米で26州にも及ぶのですから。
大麻喫煙可能なラウンジも出現
ディスペンサリーは通常、販売のみを行っており、待合室で喫煙可能なところはありませんでした。
ですが、今年からレクリエーション大麻も解禁になった、カリフォルニア州のサンフランシスコでは、他州に先立って大麻購入可能な喫煙ラウンジの運営許可を出しています。
こういったラウンジでは、大麻の煙や匂いが建物の外へと漏れないように細心の注意を払う必要があり、空調システムの設置が義務付けられています。
さらに、特別な認可も必要なようです。
もともと医療大麻向けにラウンジを併設している、ディスペンサリーでは嗜好大麻解禁後にラウンジをオープンしているところもあるそうですよ。
新しい形のディスペンサリーが増えて行けば、カナダよりも先にアムルテルダムのようになりそうですね!
もちろん日本から行くのもいいと思いますが、くれぐれも過剰摂取とマナーにはご注意を。
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