大麻やCBDビジネスが大注目される中、いち早く合法化に踏み切ったコロラド州。
2013年1月5日に所持と栽培が合法となり、大麻推進派からは税収と観光客の増加が期待されましたが、その土地の変化や何が起きているのか見ていきたいと思います。
大麻合法化による税収
嗜好用大麻の販売が大きな税収上昇になるといった期待が強く、2013年2月の時点でコロラド州知事事務局は2013年7月からの会計年度の税収を1億ドル(約118億円)と見込んでいました。
しかしその後、6700万ドルから5870万ドルへと修正。
その理由としては嗜好用大麻にかかる25%という高い税率があり、多くのユーザーが安い医療用大麻を購入しているとのこと。
州によっては「よく眠れない」というだけで医療用大麻の処方箋をもらえるので、あえて高価な嗜好用大麻を購入する必要がないということです。
これは観光客でも同じことで、メディカルカードの取得はとても簡単なのです。
さらに、税収が予想ほど伸びないのは、コロラド州の合法化が早すぎたという見解があります。
他の近隣町村では、嗜好用大麻の販売を様子見としていたため伸びなかったのでしょう。
今ではカリフォルニアも解禁されていますから、徐々に売上も上がってきているようです。
大麻ビジネス拡大による雇用の変化
大麻が闇取引ではなくなり、合法になれば健全なマーケットが生まれ、雇用も生まれることは容易に予想できます。
コロラド州では1万8000人ほどが大麻業界で働くためのライセンスを取得!
300以上の小売業者が大麻を販売しており、店舗数はコンビニとマクドナルドを合わせた数より多いといいます。
さらに今まで使われていなかった倉庫が大麻栽培所として活用され始めるなどマーケットの拡大が伺えます。
元商業銀行員で、現在は栽培所ライブ・グリーン・カナビスや販売店を経営するブルック・ゲーリング氏は
「業界として、われわれは米国全体のモデル役を果たしていることに興奮している」
と述べた。昨年1月1日に嗜好用大麻の販売が始まってから、ライブ・グリーンに1日にやって来る顧客は10倍になり、時には500人になると話している。
銀行マンが大麻栽培業者になるなんて、今の日本では考えられない転職だと思いますがこれがビッグビジネスなのです。
いずれ近い未来、日本にも同じような状況が訪れるのでしょうか。
観光客の増加
こちらお当たり前の話ですが、「マリファナ栽培所見学ツアー」などが企画され、国内外からの観光客が後を絶ちません。
デンバー地域の嗜好用大麻の客の半分以上が観光客で、観光地として有名な山岳地帯では9割にも上るそうです。
このように、販売に留まらない関連ビジネスも生み出していることが分かりますね。
未成年者の大麻使用
大麻合法化反対派の大きな懸念として挙げられていた未成年者の使用ですが、こちらが大きく予想が外れたようです。
コロラド公衆衛生環境局が2013年8月に発表した調査結果で、大麻を使用したことのある高校生は2年前よりも減っていたのです。
この背景には、今まで闇取引として行われていた大麻の売買ですが、合法化になり危険な感じがなくなったため「闇の売人」が消えてしまったわけです。
未成年者が好むスリルもなくなり興味が薄れていったということが原因なのだと思われます。
ブラックマーケットがなくなることで販売が正規ルートのみになり、未成年者への不適切な販売も減らすことができたという興味深い統計になっています。
大麻の危険性についての意識変化
大麻はオバマ大統領や海外セレブたちも言うように「酒よりも危険ではない」
という考えは今まで使用したことのない方にはわからなかったでしょう。
ですが、合法化になり今まで興味を持たなかった高齢者までもが使うようになっているところを見ると「危険ドラッグ」という意識が薄れ「医療方法、鎮痛剤、精神安定剤」という見られ方になっていることがわかります。
摂取方法などによってトラブルを起こす可能性もありますが、それはお酒やタバコもおなじこと。
楽しみたいのなら自己管理というのが当たり前の考え方ですよね。
ですが、大麻に関しては、アルコールやタバコのような人体被害が全くなく、まれに吸いすぎたとしてもその場で寝れば回復します。
それでもお酒で体を蝕みながら楽しみたいという人はいないのではないでしょうか。
大麻に関する日本での議論は、覚せい剤やヘロインなどの麻薬と同じとされてしまい、「ダメ・ゼッタイ」と悪者扱いになっています。
ですが、このようなアメリカの積極的な動きに対して目を背けずに、どのように扱うべきか考えていかなくてはならなくなるでしょう。
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