2019年に起こった大麻の科学物語は、研究室ではなく緊急治療室で起こり、アメリカの偽造大麻蒸気VAPEによって深刻な病気を引き起こす事態も起こりました。
EVALIの最初の症例(電子タバコやVAPE使用に関連した肺損傷)は、8月にメディアで発表され、現在までに少なくとも52人がこの症状で死亡。
アメリカ50州すべてで数千人の症例が報告されています。
当初、公衆衛生当局はこの原因を解明理解するのにとても苦労し、メディアは数々の根拠のない報告を発表しました。
ある調査チームが、病気の原因(ビタミンEなどの添加物)を正確に特定するまで、中国の偽造者から偽造品濃縮メーカーの汚染された供給ラインの追跡を余儀なくされることに。
この様な症例もありますが、2019年は他に多くの科学者や研究室から大麻に関する素晴らしい報告がされた年です。
では、この一年の主要大麻情報を振り返ってみましょう!
小児自閉症のためのCBD
大麻が自閉症スペクトラム障害(ASD)の潜在的な治療法として検討され、小児症例で明確なメリットを示す臨床データが初めて作成されました。
Journal of Frontiers in Pharmacologyに掲載されたこの研究では、平均年齢が11歳の53人の患者が対象となり、THCとCBDを毎日投与。
ASDに関するさまざまな症状の改善を測定しようと試みました。
その結果患者は、多動症状(68.4%)、自傷および怒りの発作(67.6%)、睡眠障害(71.4%)、不安(47.1%)の著しい改善を
示したのです。
74.5%が全体的な改善を報告し、4%未満が悪化を報告するという素晴らしい結果を見出しました。
大麻で脳は縮小されない
大麻は「脳を縮める」という話は、日本人なら一度は耳にしたことがあるでしょう。
これは、思春期の激しい使用が脳の大きさの減少につながる可能性を示唆するいくつかの小規模な研究があり、メディアが話を誇張し膨らませただけのこと。
しかし、2月に雑誌NatureにMRIを使用して14〜22歳の781人の若者(常用者と非常用者)の脳を調べ、 非消費者と比較した場合の脳の構造的な違いを調べるという大規模な研究結果が掲載されました。
調査の要約によると:
大脳グループごとに、脳の体積、皮質の厚さ、年齢の相互作用による影響は発見されませんでした。
追跡分析では、神経画像測定の値は類似しており、差異は小さいと判明しました。
要するに、思春期や若年成人の大麻使用者と非使用者の間で、構造的な脳の測定基準はほぼなかったということ。
大麻の使用は、特に青年期の発達中の脳にとっては完全に無害とは言えませんが、誤解を招く書き方のニュース報道ほどではないと解明されたのです。
依存性の解明
精神障害の診断および統計マニュアル(DSM-5)の最新バージョンでは、大麻使用障害を「臨床的に重大な障害にもかかわらず大麻を継続使用」と定義しています。
しかし、コカイン、アルコール、ヘロインの慢性的な乱用と比較しても、大麻は、他のどの薬物よりもはるかに害が少ないため軽度で済みます。
今年、International Journal of Drug Policyで発表された研究では、医療大麻が盛んな州とそうでない地域を比較しています。
それにより、大麻が合法化された州は、使用が増えましたが、常用者は減っていたことがわかりました。
この結果から、依存性が非常に低い事がわかります。
では、どうすれば大麻を問題なく使用できるようになるのでしょうか?
1つは、人々が大麻を社会的、合法的な製品として受け入れるようになること。
そうなると、「臨床的に有意な障害」を構成するものの考えがそれに応じて調整されます。
つまり、麻薬検査で逮捕されたためにリハビリを余儀なくされる人は減り、合法的に大麻を必要とする人にとっても良い環境ができるという事なのです。
今年こそ日本も海外のように研究結果を吟味して、日本人の意識改革が正しい方向に行くと良いですね。
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