CBDV(カンナビジバリン)は、大麻植物に由来する多くのカンナビノイドの1つです。
CBDやTHCと同様にこれらの分子は、大麻が提供する多くの治療効果の一部を担っていて、主にフルスペクトラム製品に配合されている成分です。
今日は、構造的にCBDに似ているCBDVの役割と効果をご紹介します。
CBDVの医療効果
これまでの研究で、CBDVは主にアジアとアフリカから供給されたC.インディカ在来種系統と、THCがナチュラルな濃度で低めの系統に多く含まれることがわかっています。
CBDが高い大麻品種は、通常CBDVが高いという傾向もあります。
CBDVに関する研究は、発作への影響に集中しています。
Epidiolexと呼ばれる初めてFDAが承認したCBD市販薬を開発したGW Pharmaceuticalsは、てんかん発作などを軽減・予防するために、GPW42006として知られるCBDVベースの薬を積極的に開発中です。
彼らの研究によって、CBDVがいくつかのタイプのてんかん発症と進行の両方に関与するカプサイシン受容体の神経経路に影響を及ぼすことが実証され、CBDVが「てんかんのさまざまなタイプの発作に対して、抗てんかん作用を及ぼした」と報告しています。
可能性広がるCBDV
2018年のげっ歯類の研究では、CBDVがレット症候群にの症状である神経行動の発症を妨げるとしています。
レット症候群の発作は、X染色体突然変異によって引き起こされ、筋肉の痙縮を伴います。
興味深いことに、CBDVは、この病気や似たような症状が遺伝的なものにも、化学的に誘発場合のどちらにも効くといいます。
Journal of Psychopharmacologyで2019年に公開された動物研究で、CBDVは、レット症候群の人と同じ遺伝的欠陥を持つマウスの記憶欠陥を改善できることが発見されています。
また、神経障害にも役立ちましたが、効果は一時的なものだったようです。
British Journal of Pharmacologyに掲載された2019年の研究では、CBDVがデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者にメリットがありました。
この疾患は、慢性炎症と不可逆的な骨格筋の損傷と変性が特徴です。
CBDVは炎症を軽減し、筋肉機能を回復、さらには強化する可能性もあります。
そういった効果から、歩行も楽になり、DMDの新治療薬としての化合物の可能性を強調しました。
小児難治性てんかんと自閉症スペクトラム障害(ASD)は、関連して発症する傾向があります。
CBDVは、この病気に多く見られる症状である、反復行動問題、認知課題、コミュニケーションや社会機能の問題、より重度のASD障害の潜在的な治療法として研究が進められています。
さらにCBDVは強力な抗嘔吐剤でもあります。
げっ歯類に関する初期研究では、CBDVはCB1受容体のアゴニスト役として作用し、それにより悪心反応を遮断することが示されています。
今回紹介したカンナビノイドCBDVは50年前に発見されていましたが、最近になって注目され始め研究対象となっている様子。
GW Pharmaceuticalsの有力なCBDV臨床試験が進行中とのことで、CBDやTHCに続く多数の潜在的に強力なカンナビノイドの秘密を解き明かすことになるでしょう。
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