合法化以外にもグリーン・ラッシュが顕著に
合法化の流れ以外にも、大麻を巡る世界の状況は劇的に変化しています。
数多くの大麻関連のスタートアップやサービス業種ができ、先日「マルボロ」で知られる世界最大手のタバコメーカー・アルトリア社がカナダのマリファナ事業会社・クロノス社へ18億ドル(約2000億円)の巨額投資を発表したりもしています。
またアメリカのテキサス州で開催される世界最大のクリエイティブの祭典「SXSW」では「大麻」カテゴリが新設され、大麻ビジネス・カルチャーにおける最先端の議論の場になる可能性まで!
さらに、スヌープ・ドッグが立ち上げたマリファナブランド「Leafs by Snoop」や、女優のウーピー・ゴールドバーグが手がける女性用医療用マリファナ製品ブランド「Whoopi & Maya」などセレブリティも続々と大麻事業に参画しています。
元プロボクサーのマイク・タイソンが大麻農場経営者としての一面を持っていたこと。
カリフォルニアの40エーカーもの荒地を開墾し、「タイソン農園」の開園を目指している。New York Postによると、タイソンの大麻農家・実業家としての顔を扱うTV番組も予定されているそうです。
ちなみに、大麻系の番組でおもしろいのは、Netflixで配信されている『クッキング・ハイ』。世界初の大麻を食材にした料理番組です。
2019年はどうなる?
先述した通り、2019年はニューヨークという世界最大の都市がついに嗜好用大麻解禁となるが、そのほかにも大きく変化が起きる可能性があります。
昨年10月にはなんと「カルテル大国」メキシコが大麻合法化を検討することを、外相のマルセロ・エブラルドが明かしました。
嗜好用大麻合法化の論理として、麻薬密売組織の弱体化と、合法化後に見込まれる莫大な税収がある。
大麻の流通を国の管理下に置くことで、ブラックマーケットで横行する違法薬物の流通と、それによる密売組織の資金源を断つことができる。
合法的、かつどこでも自由に手に入るとなれば、わざわざプッシャーや違法組織から大麻を買う必要もないのですから。
さらに、大麻を取り締まることで行政が密売組織から得る没収金よりも、合法化して得られる税収のほうが効率的で、額も桁違いだ。
麻薬密売組織による麻薬の供給、そしてそれを巡る暴力や争いが社会問題となっているメキシコにおいて、一向に解決しない国の病である「麻薬戦争」の解決策として、前向きに検討するのは十分理解できますね。
また、2017年に医療大麻を認めたニュージーランドは、嗜好用大麻合法化の是非を問う国民投票を2020年の総選挙と同時に実施する。
嗜好用大麻の解禁はアジア・オセアニア地域ではいまだどこの国でも行われていないため、こちらも極めて注目に値します。
200g以上の麻薬所持は極刑の可能性もあるマレーシアでも、医療大麻の検討・議論の段階に入りつつあります。
処方用に薬用大麻などを所持していた医師の死刑判決に多くの署名と抗議が起こったことをきっかけに、医療大麻に関する議論が始まっていることも水・土地・天然資源大臣が明かしている。
日本はどうなる?
このように世界各国の2018年を中心に、大麻合法化にまつわる動きや大麻産業の変化を見てみました。
しかし一度冷静になると、「日本やいかに」と、世界の流れから完全に置いてきぼりを食らっている感覚に襲われます。
大麻の是非については、国や文化によっても価値観は異なり、一概にイエス・ノーと言えるものではない。しかし、議論のステージにすら立てていないこの状況は、好ましいとは言えないとも感じる。
「大麻はハードドラッグ(覚せい剤)と同じ!」という認識は、世界ではとっくに通用していない。
それは、ニューヨークでの嗜好用大麻合法化や米連邦法でのヘンプ栽培容認、さらには隣国・韓国の医療大麻合法化などからも決定的だと感じます。
そういった意味で、連邦法の法改正が今後日本にどのような影響を及ぼすのかも注目だ。
2018年は大麻産業にとって激動の変化が起きた年だったと感じているが、この変化は今後さらに加速度的に起きていくだろう。
そうなったときに(もうなっているが)、世界は、そして日本はどうなっているのでしょうか。
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